うさぎの去勢・避妊手術の重要さメリットやデメリット

うさぎの去勢・避妊手術とは?

雄と雌では術式が異なります。
雄の場合は精巣を摘出し、雌は子宮と卵巣、卵管をすべて取ります。
人間と同じで生殖器をなくすことによって、去勢します。

去勢のメリットとデメリット

まずは、不安となるデメリットから書いていきましょう。

デメリット

・麻酔のリスク
現在の動物における医療においても昔よりグンと進んできています。
ですが、やはりアナウサギは心臓が小さいので、麻酔に耐えられるかは個体によって…ということはあります。
術前に血液検査をしたり、様子を見ながら麻酔をしていくので、
ほとんどのウサギは大丈夫だと医師はおっしゃっていました。
確かに麻酔のリスクは伴いますが、万が一に備え静脈を取り、緊急時は静脈から薬を入れて心肺停止を避けるというやり方もありますので、
不安に感じる方はそういったやり方もあるか伺うといいでしょう。

・術後の不安
雌の場合は開腹手術となるので、術後の傷の不安があります。
術後は知らない場所であれこれ嫌なことをされてストレスや、様々な要因で食欲不振になる子もいます。
食べないと強制給餌を行い、薬もあげなくてはなりません。
それもできるかの不安はやってみるまで残ります。

・太りやすくなる
興味の対象となるものが減るのか、よく食べます。
臓器がなくなるので、バランスも変わり、太りやすくなるので術後、落ち着いてきたらご飯の量を調整しなければ肥満になり、
肥満によってソアホックなどを引き起こしてしまうので注意が必要です。

メリット

・攻撃性がなくなる。
うさぎはテリトリー意識も強く、雌は情緒不安定になってしまったりすることが減ります。
今まで飼い主を噛んでいた子も噛む回数がなくなる、減るといったことも期待できます。

↑避妊前です。穴掘りでカバーも一日で穴だらけにしていましたが、術後は穴掘りも減り、ボロボロにすることもなくなりました!

・尿スプレーがなくなる
これは雄の場合ですが、尿スプレー(おしっこ飛ばしとか呼ばれます)がなくなります。
あっちこっちに飛ばすことがないので、飼い主さんのストレスも減ります。

・トイレを失敗しない
トイレを覚える、失敗しなくなります。
しつけもしやすくなります。これは各段に変わりますので、なかなか覚えない方には素晴らしいメリットかと思います。

・病気のリスクが減る
うさぎの雌は大人になると、子宮や卵巣の病気になる確率がものすごく高くなります。
以前、飼っていた子も、癌になり、近くに病院もなく検診にも連れて行けなかったので、
気付いたときには時すでに遅し…という状態を経験しました。
年を取ると体力的にも麻酔に耐えられなくなり、癌を摘出してあげることができなくなり手術も行えず、
命が消えるのを待つか、末期癌などになると安楽死を選ぶか、という状態になってしまう場合もあります。
そういったことをなるべくなら避けさせてあげるために、病気のリスクを減らすためにも、子宮や卵巣、睾丸の病気にはならなくなります(なくなるんですからね)

我が家の手術日

今回はいくつも例がある中の一例として、我が家のうさぎ♀について書いていきます。

動物病院によって異なるとは思いますが、1拍2日のお泊り。
定期検診の際に受けられるかどうか(他の病気など異常はないか)を診てもらい、日にちを決めました。
その時に緊急時に静脈から薬を入れるのであらかじめ静脈を確保するかどうか聞かれました。
いざというときのために先に静脈を確保しておくことで、探す時間を省き、命を救う確率を上げるためです。
オプションなのですが、命には変えられないのでお願いしました。

術日は午前中にうさぎを預け、それから検査をします(血液検査)
検査結果の内容次第では手術不可となる場合もあるので、念のためお迎えに行ける態勢にもしていました。
「結果に問題なければそのまま手術になるので、終わってからの夕方ぐらいに会えますけどどうしますか?」と、聞かれましたので即答して「来ます」と応えました。

うさぎの手術は初めて経験するものだったので、終わるまでは落ち着いていられませんでした。
ネットをたたくと様々な情報が錯綜しており、死んでしまったなんてものも出てきますので…。

夕方になると、「無事に終わりましたよ~。がんばりましたよ!」と連絡が入ったので、すぐさまとんでいきました。
ものすごい近くをぶらぶらしてたので電話から10分ぐらいで行きました(笑)

病院へ着くと酸素室で丸くなっていて、まだ麻酔から完全に覚醒してないせいかウトウトしてました。
とてもとても心配だったので、酸素室にいる姿を見たときは泣いてしまいました。
耳にはまだ静脈確保の点滴の管がついていて、少し痛そうだけど、がんばったんだなと思いました。
(容体が急変したときのため静脈の点滴の管は残しておくそうです)
声を掛けるとなんとなく目を開けて反応してくれました。
看護師さんのお話によると、麻酔から醒めるのはものすごい早かったらしいです。
体への負担も考え、量は個体で調整するのですが、それにしても早かったとおっしゃっていました。
早く麻酔から醒めることはいいことなので、先生も看護師さんも「大丈夫ですよ」と言ってくださったので、安心して自宅に戻り
次の日の午前中の一番にお迎えに行きました。
お迎えに行くと
「ご飯食べてないんですよ。でも術後で食欲が落ちることもあるから自宅に戻って、おやつとか食べれるものからあげてください」と言われました。
帰り道で「がんばったからイチゴ食べようね」とか声を掛けていたのですが、
1日ぶりの自宅ですぐさまゲージに入ってまず、したことは…

ご飯をもりもり食べるということでした。


周りの心配を他所に食べてない分、たくさん食べていました。
1日入院したことと、手術をがんばったご褒美におやつも与えましたが、術前と変わらない食欲でした。

結構、術後は食欲落ちるし、遊ばなくなるって見るんですけど。
術後当日はゆっくり寝てました。布団みたいなのも置いてあるけど、ワイルドにステンレスのすのこの上に…。
痛くないのかな、と思って見てても大丈夫みたいなんです。

ごろんと横になるとお腹も当たらないのかよく寝てました。

明くる日も、術前と同じぐらい遊びまわっていて、お腹の縫合が切れるのかと不安にさせられました。
一番驚いたのが術後2日でケージの上に飛び乗っていたことでした。
余裕でケージの上に乗ってしまう子なのですが、術後もそれやるんだと…。お腹突っ張らないのかなと近くで待機してるのですが、普通でした。
強いて言えば乗る回数は減ったな、という感じです。

ご飯も普通に食べてくれましたが、
薬だけは途中からスポイトをイヤイヤしてしまい、ゼリーに混ぜて食べてもらいましたが、またすぐに飽きてしまい、3回ぐらいやり方を変えました。

結果から言いますと…過剰な心配だったのかなとも思いますが、逆の結果になることもありえなくなはなかったので、
我が子が元気でいつもと変わらずでよかったと思います。
何例もある中に、普段と変わらず元気な子もいるので、
これから受ける子は、こちらを読んで勇気づいてくれたらいいなと思います。

≪手術の時期は?≫

我が家のうさぎ(女の子)は2018年8月に避妊手術を施術しました。
2016年8月生まれなので、2歳のときでした。

二か月に一度、動物病院で定期検診をしていただいてるのですが、
結構早い段階で避妊手術を勧められました。

雌のうさぎは犬や猫に比べて子宮や卵管の病気に発症率がぐんと高くなります。
それを避けるためにも、妊娠する予定がないうさぎについては避妊を強く勧められます。

飼い主さんが、自然のままで生活させたいということでしたら避妊手術はしなくても構いません。
麻酔と開腹手術になるので、うちの子は耐えられるのかと不安になる方も多いかと思います。
我が家でも、意見は分かれてました。
2代目の子は癌で亡くしてしまったので、次の子は病気のリスクも減らしてあげたい、という考えだったのと
うさぎを飼ったことがない方は、わざわざお腹を切るのは可哀そうだから反対といった具合に真っ二つでした。
何度か説得しつつも、どちらが結果としていいのかを伝え、納得してもらい、2018年の夏に手術となりました。

≪術後の経過≫

術後1週間で受診しましたが、お腹の縫合も切れず傷の化膿などもなく順調でした。

術後のお腹は毛がなく痛々しくも見えますが、ご本人は問題ないご様子でした。

家でのことをお話しすると「あれ?手術したよね?」と先生に聞かれていました(笑)
それぐらい、順調でした。
縫合糸は吸収されるタイプなので、お腹の毛が生えるのと一緒に経過を見ていくこととなりました。
体重が術前より増えてしまったことは指摘されました。臓器取ったのに増えてしまったので…。

性格は変わった?

今までは飼い主をよく噛んでいたのですが、滅多なことがないと噛まなくなり、
トイレの失敗も減りました。というより、ほぼないです。


我が家では犬のトレーニング用を使用しているのですが、遊んでいる最中も「ハッ!」とした顔をして
急いでトイレに駆け込んでいきます。
気まぐれなところや、ビビりなところ、甘えたいとき、遊びたいときにつついてくるかわいい面は変わらずです。
飼い主としては困っていたことがなくなりました。

≪現在≫

術後1年が経過しましたが、2ヵ月に1度の定期健診でも問題はありません。
体重だけが悩みのタネですがゆっくりとウサギがストレスにならない程度でダイエットをしています。
特に困ったこともなく、うさぎを怒ることも滅多にないのでお互いストレスフリーな生活を心がけて生活しています。

うさぎにとっては、避妊手術なんてお願いしてもいないのでよかったのかどうかは正直、わからないのですが。
術後も順調で、病気のリスクを減らせたことにおいてはいいことだと思っています。
うさぎの幸せだけを考えると難しい問題にはなりますが、
飼い主さんとカイウサギさんの問題になると幸せな結果も招けるのではないのかな、と思うので去勢・避妊手術で悩まれている方は参考にしていただければと思います。

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