こんにちは。
皆さんも一度は目にしたことがあると思うのですが、大ヒット映画の「ハリーポッター」。
その中で主人公ハリーの相棒として出てくる白いフクロウをご存知でしょうか?
人の気持ちに寄り添い、言われた相手の元へお手紙を届ける・・・。
そんなシーンがシリーズを通して実に多く取り入れられ、映画公開当初はあのフクロウを飼いたがる人が続出しました。
今回はあの白いフクロウが一体なんという種なのか、また日本でもお迎えできるのかなどをご紹介したいと思います。
ハリーポッターの相棒はシロフクロウ
ハリーポッターの良き相棒として活躍したあのフクロウは「シロフクロウ」という種類のようです。
映画に出てきた子は全身真っ白でしたが「ブチ」や「マーブル」などバリエーションがあるようですね。
では、次からシロフクロウの生態について詳しく見ていきましょう。
シロフクロウの生態
このフクロウはワシミミズク亜科・ワシミミズク属に分類されます。
北極圏など寒い地域に住んでおり、冬は「ユーラシア大陸」や「北アメリカ大陸
などの亜寒帯まで南下してきます。
日本も時たま北海道で目撃されるようです。もっと南の地域でも目撃例があるようですがごくごく稀のことでしょう。
日本での目撃例はほぼ全て冬です。
体長50〜65センチほどで翼を広げると165センチほどまでなります。
成熟したオスはほぼ純白ですが、メスや若鶏には黒や褐色の縞模様があります。
体はメスの方が大きく、フクロウの中では比較的容易にオス・メスの判別ができます。
ツンドラ、草原、岩場などで生活しており、フクロウの中では例外的に日中活動するようですね。これは主な生息地である北極圏の夏に昼夜の無い白夜があるためと思われます。
木などにはあまり止まらずに見通しのきく切り株などから獲物を探します。
これはペット用に繁殖された個体にも共通しており、お宅で暮らす子たちは床の上を好むようです。
歩行速度もフクロウの中では早い方ですが爪が「鍵爪」なのでよちよち歩きます(笑)(スマートな移動姿では無いですが、とっても可愛いです)
野生下では小型のネズミなどを狩りで仕留めます。稀にカモなどを狙う時もあります。
春になると繁殖のために高台へ巣を作り、攻撃的になります。
巣の近くへ来るものに対しては急降下して追い払います。
レミングというネズミの仲間をよく狙うため、レミング狩りの成功率によってその年の雛の数に差が出るようです。
日本でも飼えるの?注意点は?
これは、結論から言うと「飼えます」
しかし、安易にお迎えはしないでください。
今からシロフクロウおよび猛禽類の飼育について書きますが難易度は高いです。
シロフクロウの性格
映画の中ではおとなしく、躾がしやすいというようなイメージでしたが実際のシロフクロウは気性が荒く、自己主張も強いです。
また、懐かせることも簡単ではありません。基本的には犬や猫、映画の中のフクロウのようにはならないのです。
人間を「害のない存在」だと認識してもらうのが精一杯といったところです。
悲しんだり落ち込んだ時に慰めたり寄り添ってくれるパートナーをお探しの方はフクロウにこだわらず別の種を検討しましょう。
こういった知識なしにお迎えしてしまうと双方が不幸になります。
温度管理
記事の最初の方でも書いていますが、シロフクロウは寒い地域に生息します。
しかし、我々が暮らす日本は「高温多湿」の夏があります。
つまり常にエアコンなどを使って気温を低く抑える努力が欠かせません。
寒いところに住んでいるシロフクロウは暑さに大変弱いのです。
その分、寒さには強いので冬はそこまで過保護にはならなくても良いでしょう。
ただ、飼育される環境はお宅ごとに変わってきますのであまりにも冷え込むようでしたら適宜暖房器具を使用してあげてください。
ゲージ
シロフクロウは大きな体をしています。
猛禽類用の丈夫でスペースのあるものを選んであげてくださいね。
また、シロフクロウは大変ストレスに弱いです。
狭いゲージでは身動きが取りづらく、大きなストレス源になります。
できれば放し飼いに近い方が良いですが、事情でできない場合はそれを考慮してゲージ選びを進めてください。
シロフクロウのご飯
ご飯は健康な体を作る1番重要な項目です。人間と同じですね。
シロフクロウは肉食なので猛禽類用のものを利用してください。
これらはヘビなどの爬虫類・猛禽類の専門ショップなどで手に入ります。
主に、マウス、うずら、ひよこなどが冷凍されて売られています。
これらを普段の体重を維持できる量を1日に1〜2回あげます。
※マウスやうずらなどはそのままの姿で冷凍されていますのでこれを扱うことに抵抗感を抱く方や、ご自身が平気でもご家族に抵抗感を抱かれる方がいる場合は猛禽類のお迎えは考え直すことをおすすめします。
ヒナの場合は、親鳥がしてあげるように細かく刻みましょう。
ご飯代は毎月それなりにかかりますので、予算を組んでおくと良いでしょう。
おやつとしては、コオロギやミルワームなどをあげるととても喜びます。
しかし、お皿などでゲージの中に置く方法ではなく、コミュニケーションを兼ねて手からあげる際は必ずピンセットの使用をお願いしますね。
指までパクッとされる可能性があります。
体のお手入れ
シロフクロウの爪とくちばしは定期的なお手入れが必要です。
野生下では自然の中で削れていくので問題ないですが、飼育下ではそうはいきません。
伸びた爪やくちばしは人間に対して危ないですがなによりシロフクロウ自身にとってもよくありませんので猛禽類を飼う以上は必ず必要なお手入れになります。
まずはタオルなどを使った保定から行い、素早く作業を終えましょう。
シロフクロウに限らず、飼育動物はこのようなお手入れが自分のために必要なことだとは認識できず、ストレスに感じます。
慣れないうちは病院を頼るなどしても良いですが、病院へ行くこともストレスになり得ますし有事の際に保定だけはできないと困ってしまうので「出来ることを増やしていく」姿勢を忘れずに!
病院について
お迎えを検討する場合、必ず考えなければいけないのが病院です。
先程のお手入れの項目でも話しましたが、長い付き合いになるのでどこかで必ずお世話になります。
シロフクロウに限らず、猛禽類を診てくれる病院は多くありません。
ある程度のことはご自身で対応する必要もでできます。
また、診てもらえる病院が見つかっても長距離移動が必要になるケースも往々にしてあります。
移動用ゲージや交通手段などは普段から整えておきましょう。
ご家族の中でご自身しか保定できない、などの不安要素は有事の際に対応が遅れる原因となり得ます。
「自分がいない時でも有事に対応できる」状況が常となるよう心がけましょう。
お迎えを決めたら
ここまで読んで、家族全員でお迎えを決めてくださったらあとは運命の一羽を探すのみです。
シロフクロウに限らずフクロウ販売には「ワシントン条約」が絡んでおり、海外から正規の手続きを経て輸入された個体もしくはその子孫のみ飼育することができます。
そのため、猛禽類を専門に取り扱うショップでお迎えしましょう。
経験豊富な店員さんからアドバイスを受けられますし、お迎え後も相談に乗っていただけたりとメリットが多いです。
犬や猫のように常にお迎えを待っている子が沢山いるわけではないのですが、一期一会の出会いだと思ってじっくりご検討くださいね。
まとめ
ハリーポッターで一躍有名になったシロフクロウですが、猛禽類ということもあり犬猫とは違った覚悟が必要です。
鳥カフェやフクロウカフェなども増えており(よくない業者も混じっているので全てが良いわけではないですか)ご興味を持たれた方はそういう所で触れ合うことから始めてみる方が良いかもしれませんね。
以上、シロフクロウの紹介記事でした!