皆さんは、小動物のペットと聞いたとき、何の動物を思い浮かべますか?
ハムスターやウサギ、またはインコなどの鳥類が一般的かと思われますが、
ペットショップではあまり見かけることのないシマリスも、実はペットとして非常に魅力的な動物なんです。
その生態は野性味にあふれ、「動物を飼うのが初めて」という方には少し検討が必要かもしれません。
なので本記事では、シマリスをペットとして飼うために必要な注意点を簡単にまとめました。
もしあなたが、シマリスを飼ってみたいな・・・と思っておられるのなら、一度この記事に目を通して頂き、シマリスの魅力を知るきっかけになれば幸いです。
シマリスの魅力
ペットとしてはまだまだ馴染みの薄いシマリスですが、木の上を跳び回ったり頬袋に木の実を詰めたりと、可愛らしいイメージは一般的ではないでしょうか。
ディズニーの人気キャラクター、チップとデールでも有名ですね。
シマリスの魅力を一言で表すなら、ズバリその仕草の愛くるしさに尽きます。仕草ひとつひとつが、動物好きな人のツボを押さえてきます。
餌を一生懸命いろんなところに隠したり、頭の上で餌を食べたり、大あくびと伸びをしてそのまま寝てしまったり、時には肩の上でおしっこされたり(笑)と・・・。挙げればきりがありませんが、その愛くるしさに心打たれる人も多いはずです。
個性もあるようですが人懐っこく、慣れれば名前を呼んだら走ってくるようにもなるそうです。
自分の欲望のままに動き回る姿を眺めていれば、時間が過ぎるのを忘れてしまいそうになります。
飼育の注意点
先に述べたように可愛らしい仕草で楽しませてくれるシマリスですが、その野性的な習性から、気を抜けない注意すべき点もあります。
行動範囲
シマリスの大きな特徴の一つでもある、広い行動範囲と旺盛な好奇心には要注意です。ハムスターやウサギなどは、基本的に地面つまり平面を行動範囲とします。
しかしシマリスは高いところが大好きで、その行動範囲を甘く見てはいけません。
ストレスと運動不足解消のために部屋の中を放してあげることも必要ですが、その際カーテンを駆け上がってそのままエアコンの上に跳び移ったり、椅子や私たちの身体をよじ登って食卓の上、そのまま台所へ・・・など、あらゆるところへ移動しようとします。
我が家も、日に日にお手製のシマリス移動対策グッズが増えてきました。
しかし持ち前の運動能力で簡単に突破されてしまいます。
少しの突起でもよじ登りますし、一見越えられなさそうな高さでも壁キックを用いてまるでゲームのような動きで簡単に越えてみせます。
一度攻略されると同じ手は二度と通用せず、いたちごっこ(シマリスのくせに・・・)の日々が続きます。
しかし、高いころに飛び移る際に目測を誤ったのか落下することもありますし、台所には刃物や洗剤、食べられない食材など危険なものも存在するため常に目を離さないことが大切です。
誤飲
シマリスは、見つけたものをすぐに口に入れる習性があります。
特に部屋の中を遊ばせる時は注意が必要です。
プラスチックやゴム、針金や画びょうといった金属などの誤飲の報告例が多いので、危険なものがないか慎重に確認しましょう。
餌の中に入っている乾燥剤なども袋を破って口に入れてしまうこともあるので、何か異常を感じたらすぐに獣医さんに相談することが大切です。
また、電気コード類も格好の餌食です。
テレビやエアコンなどの電化製品はもちろん、冬場はシマリスのためにヒーターを使うこともありますので、誤って齧り感電してしまわないようにコードにカバーをつけるか、絶対に届かないように設置することが必要です。
ケージ内の危険
シマリスは上下運動が激しく、ケージ内でも縦横無尽に動き回ります。
回し車やケージの網などに足をひっかけて骨折してしまうケースもあります。
金網製のケージを使うことが多いと思いますが、ケージの劣化による足が挟まりそうな隙間や飛び出た針金などが無いように、常に注意してあげることが重要です。
タイガー期
夏終わりから冬にかけて、ほとんどのシマリスは非常に狂暴になり襲い掛かってくるようになります。
この時期を、そのあまりの荒れ狂いっぷりから「タイガー期」と呼びます。
いつもの可愛らしさが嘘のように容赦なく噛みついてきますし、気を抜けば血だらけになってしまいます。
ほぼ全てのシマリスの飼い主は、そのギャップにショックを受けることになるでしょう。
また、この時期は餌をあげてもあまり食べず、頬にため込んであらゆる場所に隠す行動をよく行います(この仕草は抜群に可愛いです)。
これらの行動は、冬眠に備えて縄張りを守る習性と関係しているようです。
寂しく感じますが、私たちを「縄張りを荒らす侵入者」と捉えているようです・・・。
あまり触れ合うことはできなくなりますが、ケージの掃除や部屋の中を遊ばせる際は、手袋等をつけて噛まれても大丈夫なように完全防備で挑みましょう。
あまりの痛さに振り払ったり、逃げまどって蹴とばしてしまったりと、逆にけがをさせてしまう可能性もあるので、シマリスのためにも要注意です。
他の動物からのストレス
シマリスは群れで生活をする動物ではないので、単頭飼いが基本になってきます。
飼い主でさえ、驚かせたりしつこく構ったりすると、ストレスを与えることになります。
特に犬や猫などの他のペットと同じスペースで飼うと強いストレスを感じ、寿命にも関係してくるようです。
しっかりと飼育場所を分け、ストレスを与えないようにしてあげることが大切です。
まとめ
今回は、私がシマリスを飼育している中で感じた注意点を簡単にまとめてみました。この他にもまだまだ気を付けなければいけないことは多く、ペットとして少し難易度は高いかもしれません。
しかし、そんな苦労を何とも思わなくなるほどの魅力を、シマリスは持っています。タイガー期に傷だらけにされても、数時間後に寝ぼけ顔を見せられると痛みも吹っ飛んでしまいます(笑)。
そんなシマリスのペットとしての魅力を、もっとたくさんの人に伝えていけると嬉しく思います。